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一期一会
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Carl Zeiss Vario-SonnarT* DT 16-80mm F3.5-4.5ZA / SONY α100


今日は会社の新年会 兼 送別会でした。正確にはもう昨日のことですね。
本当は帰宅してすぐに酔った勢いで書いてしまおうと思っていたことですが、微妙な内容なのでなかなか書き始めることができず、すっかり酔いもさめつつある明け方になって、ようやく書く決心がつきました。

今日は一緒に仕事をさせていただいている面々との宴会で、久しぶりに楽しいお酒が呑むことができました。これは本当のことです。
ですが、実は今日の僕は宴会中もある言葉が頭から離れなくて、少々深酒が過ぎたのは、実はこの言葉を一時でも忘れようと思っていたからです。

「僕が生きる今日はもっと生きたかった誰かの明日かもしれない」

少々辛気くさく、辛い話をしなければいけません。
実は古くからこのブログを読んでくださっていた方には報告しなければいけないことがあったのです。


「7年も前の話」というタイトルで5年前にアップした記事。ここに紹介したある先輩社員(前の会社の)のことです。
今までブログを書いてきて、失礼にも何人かの身の周りの人を匿名で紹介したことがありますが、
その中で一番反響が大きく、コメントを見ていただいてもわかるように、多くの僕の友人から好意を示された人です。
それだけにここで改めて報告するのは、僕にはかなり勇気のいることでした。

今日、当時の別の先輩がweb上にこの方への思いをつづられたのを見て、
やはり僕も自分のために、ここに今の思いを書き留めておこうと思いました。
上の言葉はその方が引用されていた言葉です。

僕のことを「無菌室のエリンギ」と評してくれたこの先輩は、
昨年末、37歳の若さでお亡くなりになりました。

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Carl Zeiss Vario-SonnarT* DT 16-80mm F3.5-4.5ZA / SONY α100



類稀な才能…。言葉にすればそれはあまりに安っぽい表現で、
何か一つボタンを掛け替えれば、偉大な芸術家になったのではないかと本気で思うほどの絵の才能に恵まれた人でした。

言葉もありません。ただただ口惜しいのです。

神さまがいるとしても、きっと神さまは人間一人一人の営みなんて、
これっぽっちも気にしていないのでしょう。

誰を残し、誰を奪うかなんて、
ロシアンルーレットのように場当たりで、適当で、
無作為に選んだ人を、神さまは時折気まぐれに奪っていかれます。
僕は正直もう飽きたのです。

祈りは届かない。祈っても仕方ない…。
としても、祈りに意味がないとは思いたくないのです。
文字学を通して白川先生が教えてくれた「神さま」はまさしく自然そのもの。
草や木を揺らす風の匂いや水のたゆたいこそが「神さま」であるなら、
自然界から逸脱した私達の都合など、やはり「神さま」には何の意味もないのでしょう。

でも?
だから?
僕は今、人のことは人に祈ろうと思うのです。
(自然のことはこれまで通り神さまに祈るとしても…)
人の世界でのみ感じることの出来る健気な奇跡を信じて、
人のことは人に祈りたいのです。

ここまで鬱陶しい文章を読んでいただいた方に、
あらためて伝えたいことがあります。
もしかしたらその中には今日の宴会を同席してくれた方も含まれているかもしれません。

今日席を同じくして共に過ごした仲間が、
明日も必ずそこにいるとは思わないでください。

今日送り出した同僚と、
いつでもまた会えるとは思わないでください。


一期一会という言葉の本当の意味は、
次の機会を絶対的に失った人にしか分りません。

出会いを大切に。
別れをより一層大切に。
あなたの身体は、あなたがこれまで出会ったすべての人にとっても大切な身体です。
だからお身体には気をつけて。

それは明日かもしれない。来年かもしれない。
10年後かもしれない。
でもとにかく、また会いましょう。


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Carl Zeiss Vario-SonnarT* DT 16-80mm F3.5-4.5ZA / SONY α100


p.s.
もし読んで下さったなら、本日の主賓様へ。
縁起でもない話をしてすみません。
ベロベロに酔っていてすみませんでした。
あなたが写真の話をしてくれたから、
やはり今日ブログの更新をしようと思ったのです。
写真はレンズと仰ってましたね。
僕もそうだといいましたね。
僕に写真のことをアドバイスしてくれた人も、
世間ではそう言われていると僕に教えてくれました。
だからそれは間違いではないのです。
でも僕は思います。
レンズが写真に及ぼす影響よりも、
気持ちが及ぼす影響の方がはるかに強い。
初期衝動を失ってしまったら、
どんなにいいレンズをつけても、撮りたかったものは写らなくなります。
今の気持ちを大切にしてください。
webに上げられるのを楽しみにしています。
約束ですよ。
by chii-take | 2013-01-20 05:54
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