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愛されるよりは 愛することを…
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いいかげん引用ばかりしていないで、そろそろ自分の言葉で日記をかかなければいけないなぁ。
と思っている今日この頃ではあります。
“表現の自立”。それが今の僕の密かな目標です。

しかし、たまたま本屋さんで目に入った一冊の本を僕は購入せずにはいられませんでした。

「マザー・テレサ あふれる愛(沖守弘 講談社)」

以前からよく耳にしていたマザー・テレサの言葉。
先日の日記にも記した禅を特集した雑誌にも彼女の言葉がありました。
僕はどうしてもこの本を購入して彼女の言葉に耳を傾けずにはいられませんでした。
結局、訊くことや、聞くこと、そして学ぶことは、どうしても辞められないのです。


心打たれた言葉、エピソードはやはりここには書ききれないほどたくさんあります。
今このタイミングでひとつ選ぶとしたら、
やはりずっと悩んでいる仕事のことについてあらためて考えさせられた言葉を選ぶよりありません。

マザーは、この本の筆者であり、報道カメラマンの沖さんにこう語りかけます。
「私は、技術的なことはわからないけど、
 いい写真がとれるかどうかは機械じゃないって気がするのよ。
 自分の仕事を誇ったり自慢する心があったらダメね。
 仕事は神がさせてくれるのだから」


大好きな白川先生が使う「神」と、ここでマザーが使う「神」は全然違うものの筈です。
でもなぜか僕には、マザーのこの言葉の中では同じもののように感じられました。


僕はどこかで自己顕示欲にかられて仕事をしてはいないだろうか?
日々のデザインにおいて、どこかで“奇をてらう”ということをしてはいないだろうか?
結果のみを重視し、その義務や役割をおざなりにしてはいないだろうか?
先方の注文を隠れ蓑に、みすみす不誠実を見逃してはいないだろうか?

「たいせつなのはどれだけたくさんのことをしたかではなく、どれだけ心をこめたかです」

マザーの言葉はいちいち心に突き刺さります。


下はマザーの修道会の祈りの言葉の抜粋。

『慰められるよりは慰めることを
 理解されるよりは理解することを
 愛されるよりは愛することを
 私が求めますように
 わたしたちは与えるから受け
 ゆるすからゆるされ
 自分を捨てて死に
 永遠の命をいただくのですから』



…自分を捨てて死に、永遠の命をいただく…

どのような仕事であれ、作品であれ、
何かを残すというのはそういうことではないか、と思うのです。

僕の傍らの書架には、文学作品であれ、西洋絵画の画集であれ、ジャズの音源であれ、
そして文字のルーツをたどる大辞典であれ、
そのようにして永遠の命をいただいたすばらしい仕事であふれています。

慰められるよりは慰めることを
理解されるよりは理解することを


僕がそれを実践できることを願って止みません。

愛されるよりは 愛することを…_d0105218_4363112.jpg写真は職場の近くの公園に咲いていた「アガパンサス」。
よく花の写真を撮っているくせに、花の名前をまったく知らない不誠実に気づきました。これはいかんと、さっそく花図鑑を買ってきたのでようやく判ったのがこの花の名前。
上の写真はもう何週間も前に、そのたたずまいに衝撃を覚えて思わずCCDに収めた一枚。
密集して咲いているのも美しいけど、
たとえ一本でも美しく凛として咲くこの一輪の花に強く憧れました。
自分もこうありたいと思ったのです。
花言葉は「愛しい人」なのだそうです。
by chii-take | 2007-07-23 04:41
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