私はあなた
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どれだけ言葉を尽くしても、一も解り合えない人もいる。
たった一言、いや、下手をすれば、何か言いかけるその寸前、
息を吸う音が聞こえてきただけで、何が言いたいのか解ってしまう人もいる。


そんな人とは目を合わさなくても、声を聞かなくても、
その横顔だけで何が伝えたいのか解ってしまう。

d0105218_292682.jpgこの違いは、肉体的な距離に比例しない。
過ごした時間にも比例しない。
性別にも、年齢にも従わない。
もちろん才能の介入する世界ですらないと思う。

どこか遠いところで生まれて、
どこか遠いところで育ってきて、
そこから比べるとほんの僅かな時間、
共に過ごしただけの間柄なのに、
不思議と解り合える世界がある。

相性なんて言葉で片付けたくはないけれど、
それ以外の言葉を持たない僕たちの世界では、
そんな言葉で片付けられてしまう関係。

ときにはそんな出会いに涙したってかまわないと思う。
嬉しいのか、悲しいのかさえもうわからないけれど、こんな広い世界で、そういう人と会えることに、涙したってかまわないと思う。

先日、大学の同期と、大山崎山荘美術館を訪れたとき、そこで思いがけず目に飛び込んで来た言葉に胸打たれた。
陶芸家、河井寛次郎の残した言葉。

「私はあなた 私以外に見えないあなた」


意味もなく、涙せずにはいられなかった。
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by chii-take | 2007-11-07 02:16
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