人気ブログランキング | 話題のタグを見る
言い訳
言い訳_d0105218_2303915.jpg

バスケットボールジャーナリストの宮地陽子さんのコラムを読んでいて、とても心打たれる広告のコピーに出会うことができました。

「スペイン人であるということは、もはや言い訳ではない。」

かつてバスケット後進国と言われたスペインで今年開催されたヨーロッパ選手権。
そこに出場するスペイン代表を応援するために、スペイン国内で展開された広告のコピーなのだそうです。

かつては弱小と言われながらも、2年前の世界選手権で、見事に優勝を果したスペイン代表を讃えるのにはもってこいのコピーだと思いました。

このコピーには、「選手個人」とそれを育てた「組織」の“成長”の過程、その組織が勝ち得た“自信”の力強さを感じます。

そしてただ勝ち取ったものを顧みるだけではなく、
その思いはなお現在進行形であるということをこのコピーは烈しく訴えています。


ふとそんな情熱に心打たれている自分を省みて、僕は自分をとてもつまらない人間だと感じました。
僕はうまくいかないことの多くを、常に何かのせいにしているような気がしてならないのです。

僕はこれまで、
「日本人」であることを言い訳にしてこなかっただろうか?
「男」であることを言い訳にはしなかっただろうか?
「夫」であることは?
「一人っ子」であることを言い訳にはしなかったか?
「社会人」であることを、「印刷会社」の社員であることを言い訳にはしなかったか?
「デザイナー」という肩書きに固執して、それを言い訳にはしなかったか?

挙げていけばきりがありません。


スペイン代表を讃えるコピーは、「もはや言い訳ではない。」と言い切った後をこう続くのだそうです。

それは「一つの責任」であると。

自分の立場の責任を全うせずに、それを言い訳に転嫁してしまったものには、勝利なんてものは永遠に訪れないのでしょう。

「ちいたけ」は、もう「ちいたけ」であることを言い訳にするのは、やめにしようと思うのです。

「彼」は「彼」だから。

そう思われることも了解しないし、自分で自分をどこかで限るのも、もう金輪際やめにしようと思うのです。

本当にできるの?
それはわからない。
でも
やらいでか!

そのくらいの精神で。

いつか、
「ちいたけ」であることはもはや言い訳ではない。
と自分でそう思いたいのです。
いや、そうならなければ。


余談ではありますが、
バスケットにおいて、「世界一」という称号は、五輪金メダルでも、世界選手権優勝でもどちらでもありません。
今日よりはじまるNBAファイナルの優勝チームにのみ「World Champion」という称号が与えられます。
その出場チームにスペイン代表のエース、パウ・ガソールがいます。
バスケットにおいてスペイン人であるということを、言い訳ではなく、責任に変えた男の新しい挑戦です。
ちいたけが一年のうちで最もエキサイトする数週間が始まります。
by chii-take | 2008-06-06 02:38
<< いずれ忘れいくものの中にこそ…... 合い言葉 >>