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【智】 04/80@「ぎえん」より
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知っていることと知らないこと。
それに関する“言葉”“名前”の役割。

名前があるからその存在を知り、
言葉があるからそのことが解ったような気がするのではないか。


最近はそんなことに興味があります。

例えば感情のこと。
「怒」という言葉がなければ、
私たちは「怒る」ことを知っていたのでしょうか?
ときどきわけの解らない感情に揺さぶられることがあるのは、
私たちがまだ知らない感情があるからなのではないでしょうか?

大人になってもいつまでも頑是無い幼子のように泣く人だと、
人は私たちを笑うかも知れない。
解ってしまった時点で失ってしまうもののあることを
なんとなく感じているから私たちは理屈もなく泣くのです。

何事にも無関心に見える猫の横顔。
無垢な幼子の不機嫌な顔。
そんなものの雰囲気を視界に端にしっかりと捉えながら、
何も考えることなく日々を送る。

それがある種の最も知的な生き方ではないかと僕は思うけど、
世の中ではそんな思考を指して「屁理屈」というのですね。
それこそ解ったように。



【智】
「矢」「口」「盾」を象った文字だと白川先生は分析します。
古代では矢を折ることは神さまに誓う所作であり、
「知」は、言わば神さまとの誓約のもとに
「さとらせてもらう」ことを意味しました。
「智」はそれによって得た知恵のことだと先生はいいます。
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by chii-take | 2009-04-27 02:02 | Comments(2)
【貴】 03/80@「ぎえん」より
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以前から調子の悪かったカメラをレンズごとメンテナンスに出しました。
手元にカメラがないと、まるで片腕をもがれたような寂しさがあります。

大切なものは側から離れてしまってはじめてその本当の大切さに気付くものです。

いつだってそう。

写真は「ぎえん」京都で展示したものです。


【貴】
両の手で貝を捧げ持つ形。
貝は北方の民族にとって大変貴重なものだったので、
貨幣として使用されたのだそうです。
そこから「とうとい」の意味に用いられたのだと白川先生はいいます。
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by chii-take | 2009-04-26 17:27 | Comments(2)
【環】 02/80@「ぎえん」より
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幼い頃、遠出をするときにいつも母が持たせてくれたお守りには姉の骨が入っていました。

「中身を人に見せてはいけませんよ」と、
いつも母は言っていたけれど、
もちろんそんな話をする場面が子供同士の間である筈もなく、
お守りを持っていることさえ僕は忘れてしまって、
旅先を無心に駆けずり回っていました。



【環】

死者の襟元に玉を置き、
死者が生き返るよう願った儀礼を象っています。
そのときに用いた玉を「環」といい「めぐる」の意となりました。
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by chii-take | 2009-04-19 21:58 | Comments(2)
【縁】 01/80@「ぎえん」より
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少なからず“出会い”は人の一生を左右します。

人の一生とは、人が生まれてから死ぬまでの時の流れのことではなく、
縦糸と横糸が折り重なり、広大な平面を形づくっていく織物の作業のようだと思います。

縦糸と横糸が出会い重なり合わなくなったときが、すなわち人生の終わり。

あの日あのとき出会ったあの人も、人生というタペストリーを織りなした一本の横糸。
昨日も明日も明後日も、毎日話すあの人は、横並びに並んでくれる何本もの縦糸。

夜眠る前に、半歩、一歩と、描きかけのデッサンを確認するようにゆっくりと後ろに下がりながら自分のこれまでの時間を確認したなら、鮮明に編み込まれたその一本一本に出会うことができる。

過去や未来や昨日や明日。

僕には、そんな一元的な世界の興味はなく、
平面に編み込まれたビジュアルの、
時間の止まったような感覚が好きです。


【縁】

織物の「へりかざり」の部分をさし、「ふち、まわり」の意味に用います。
その形状を人に移して、相互の間の「つながり、ゆかり」の意味に用いるようになったのだと白川先生は言います。
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by chii-take | 2009-04-18 01:04 | Comments(0)
ありがとうございました。
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グループ展「ぎえん」に多数ご来場くださりありがとうございます。
起案より約1年。この日々のことを僕は一生忘れないだろうと思います。

京都会場とこのブログに寄せていただいた「大切な文字」は80文字。
残念ながら奈良会場でこの文字と再会できなかった人も多いと思いますし、
僕自身、もう一度この文字たちと向い合う機会を得たいので、
次回更新より順次この80の文字たちを紹介していこうと思っています。

気がつけば、(仕事を除けば)3ヶ月以上も写真を撮っていませんでした。
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by chii-take | 2009-04-17 02:43 | Comments(2)