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タイムカプセル
d0105218_0193976.jpg娘が生まれてそろそろ半年になります。

娘の寝顔
娘の笑顔
娘の泣き顔

ときには嘘泣き、
しばしば愛想で笑うようになった彼女の表情は
日々刻々と複雑になっていきます。

娘はヨメに似ています。

何かを企んでいるときの目の輝きや
怒っているときの眉間の皺
驚いたときにつり上がる眉の動き
あまりに似すぎていてそれはそれは面白いほど。
DNAの不思議を感じます。

僕にはあまり似ていないけれど、
その顔を見ていると自分の中にずっと仕舞われていた
ある遠い記憶が蘇ってくるような気がします。
その記憶が教えてくれた、驚くほど単純で当たり前な、
それでいて奇跡的な事実。

それは
僕は確かに愛されていたという記憶でした。

まだ言葉を解さない彼女だからこそ、
見つめ合っているといつか僕は彼女自身になったような錯覚におちいることがあります。
彼女になった僕が僕を見つめて、
僕はその僕の後ろの父を見るのです。

「親になって初めて親の有難みが分かる」

簡単に言えばそういうことなのかも知れませんが、

娘が教えてくれたことは、僕にとって限りなく雄大で、
僕が娘に教えてあげられることなど、
つまらなくてちっぽけなことなのだと知ります。

言葉など、数式など、哲学など、
彼女が今いる世界に比べれば、それはあまりに瑣末なことなのかも知れません。

彼女が嘘泣き、彼女が愛想笑いを浮かべる度、
だんだんと彼女は今もっている不思議な力を失っていくのでしょう。
(でもそれは人としての幸せを得るためには大切なことなのですね)

いつかまた、彼女が母になったとき、
きっと彼女にも今日の僕のことを思いだす日が訪れるのでしょう。

そのときのために、僕は彼女の瞳の中に今を焼き付けるのです。
その愛らしいタイムカプセルの中に。
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by chii-take | 2009-11-28 00:23