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ある朝のこと。
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それは連休中のある明け方のことです。
窓の外がだんだんと青白く染まりはじめたころ、
机の上に置いてあった僕のα(デジタル一眼レフカメラのことです)がにわかに騒ぎだしました。


「おい、なにしてんだ。いまだぜ。頃合いだ」
「ぐずぐずするな。今から用意すればまだ間に合う」
「太陽が出てくるまでが勝負なんだ。走れ」



僕はわけもわからずαを抱えて階段を駆け下り、
まだ明けきらない奈良の街へ飛び出していました。
マジックアワーという言葉が頭の中で蘇っていました。


見渡すかぎり景色は青に染まっているのに、赤や黄色は不自然なほど鮮やかで、
それはとてもとても不思議な時間でした。

結局うまく撮れなかったんだけど、この日の朝のことはなぜか忘れられない。
僕はほんの少し泣きながら写真を撮っていました。
そのときの写真たちです。



【朝】
白川先生によると、艸(草)と日と月とを組み合わせた文字で、
草の間から日が出て来ているが、残月がまだ残っている形を表していて、
朝明けの時を表しているのだといいます。

古代の政治はこの時間帯に政治上の決定をしたので、
「朝政」や「朝廷」という言葉が生まれたのだと先生はいいます。


この日の早朝、写真を撮りながら僕はあるひとつの決断をしました。
by chii-take | 2007-05-08 01:58
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